80通りの原石と、はじめての出会い!〜57期東京プログラムレポート1〜

「Musical For All––あらゆるひとに参加と鑑賞の機会を。」この新プロジェクトが立ち上がった今年2023年は、コロナ禍で休止していたコモンビートのメインプログラムである「100人100日ミュージカルプログラム」の再開の年でもあります。

学生・留学生・教員・エンジニア・看護師・デザイナー・農家・市役所職員・主婦・経営者・警察官まで…これまで全国で6800人の市民が舞台に立ったミュージカルプログラム。団体発足から20年間、年齢も職業も価値観の違いもこえて、あらゆる人が一緒に汗を流し、心を動かし、共通のメロディーを奏でてきました。

MFAを掲げた今…その参加の機会をより多くの人に届けたい!
参加者の多様性の幅を広げるには?どうしたら、いろんな違いを歓迎して活かし合って、みんなでエンタメを楽しめるの?

5月から練習が始まった、57期東京 100人100日ミュージカルプログラムの現場からレポートをお届けします!


こんにちは!57期キャストのななです!「Shine!~これが57期の宝石箱やぁ!~」をテーマに57期東京100人100日ミュージカルプログラムがスタートしました!多様な個性に溢れてキラキラしたキャストや活動の様子を、”宝箱の中身をそっと覗き見する”ようなレポートでみなさんにお届けしていきます!

8月の本番公演へ向けて5月13、14日、オンラインでの開幕を経て、5月20日、21日についに対面練習がスタートしました!

57期東京プログラムのキャストは全80人。そのうち50人はミュージカルプログラム初参加!経験キャストの繋がりで参加した人、過去のコモンビートの公演を観て参加した人、ネットやSNSで偶然コモンビートに出会って飛び込んできた人、外国籍の人、視覚に障がいのある人、車椅子ユーザーの人、遠方から通って参加している人(私もそのうちの一人)、歌やダンスが得意な人、自己表現は苦手な人、目立つのが好きな人、緊張しいの人、コミュニケーションが得意な人、人に話しかけるには少し勇気が必要な人…と、年齢も職業も個性も価値観も多様な人が参加しています。

練習会場では、80通りの多様な「はじめまして」が交わされて、たくさんのコミュニケーションが飛び交う空間に私は圧倒されてしまうほどでした。

印象的だったのは、あちこちで「助け合い」が生まれていたことです。たとえば、はじめましての人同士でもダンスを教え合ったり、視覚に障がいがあるキャストに周りのキャストが自然と寄り添って移動を手伝ったり、周りの人に声をかけて一緒にお昼ご飯を食べて緊張をほぐしたり‥。私自身も視覚に障がいのあるキャストと一緒に行動をする中で、「体の動かし方や、周りの状況を伝えるには、どんな言葉にしたら伝わるのか」を考えたり、ダンスをするときには実際に体を触ってもらったり…と「伝える」にもいろんな表現の仕方があるんだ、と気づきました。

この2日間は、自分自身をさらけ出す、度胸試しの2日間でもありました。土曜日には全員で同じ振り付けを覚えて、日曜日にはキャスト全員がリレー形式で踊っていくオーディションをしました。
オーディションの順番が来た人を後ろから声援や手拍子で応援したり、一緒に踊って場を盛り上げたり、踊り終わったらハイタッチを交わしたり。最後の人が踊り終わるまでエールを送り続けて、全員が全力で踊りきることができました。お互いにサポートしあい、それぞれが今の自分を全力で表現しきった姿に胸が熱くなりました。

初めての対面練習の2日間で、57期のメンバーは、全員で同じ温度感を作って共有できる人の集まりなんだなと実感しました。一人一人はできること・できないことは違っても、「全員で同じことに取り組む団結力」を感じることができて、これから全員でひとつの作品を作っていくことがとても楽しみになりました!

次回のブログでは、ドキドキの大陸結成についてレポートします!お楽しみに!


コモンビートでは、ミュージカルの出演も鑑賞も、その機会を広げる取り組みを行なっています。その一環として、見えない・聞こえない人がミュージカル観劇するためのアクセシビリティを整備するクラウドファンディングにも挑戦しています。

57期東京キャストが出演する8月の本番公演には、字幕と音声ガイドを用意します。ぜひ、本番の姿まで応援いただけると幸いです、